力学

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コラム~第3回 重力加速度~

 現在2019年11月14日15時20分である。

麻友「このブログは、コラムだらけになっちゃったわね」

私「麻友さんが、喜ぶような記事を書きたかった、というのが、こういう形で現れたんだ」

麻友「それで、昨日の水平方向に進んだ距離を、時計にするというのは、私は、特待生ぶりを発揮して、{y=x^2} だったのを、黙って係数 {a} を掛けて、{y=a x^2} として、計算しようとした。あれは、どうなの?」

私「あれで、いいんだ。ただ、水平方向の初速と同じ、10メートルも、最初の1秒で、落ちるかい?」

麻友「えっ、そうか。それは、変ね。どうすれば、いいのかしら?」

私「まず、{y=a x^2} としたのはいい。ただ、以前に、相対性理論のブログの『数学者はなぜ、数学が美しいというのか(その4)』という記事で、微分の最初の講義をしたとき、{y=x^n}微分すると、{y'=n x^{n-1}} となると話した。それによると、{y=a x^2}微分すると、{y'=2a x} となる」

麻友「ちょっと待って、この場合、微分するって、何をしているの?」

私「あのとき、グラフで、接線の傾きを求めようとしたんだよね。接線ということは、まさにその点での、{x}{1} 増えたときの、{y} が、増える量」

麻友「{1} 秒増えたときの、落ちる量。つまり、秒速の速さか」

私「その通り。それが、{y'=2a x} の、意味だよ」

麻友「じゃあ、垂直方向の速さも、分かるのね」

私「 {a} が、求まればね」

麻友「あっ、そうだったわね」


私「ところで、速さの式で、{y'=2a x} と、なってるだろう。{2} が、目障りなんだよ。{y'=2a x}{2a} 自体を、{g=2a} として、新しい定数、{g} を導入したい」

麻友「 {g}ジー)って、ロケットとかで、『5Gかかってます』とかいうの?」

私「そうだよ」

麻友「えっ、本当にそうなの? 私、ボケたつもりだったのに。大文字と小文字の違いもあるし」

私「どっちも同じ、重力加速度だよ。物理学では普通、小文字の {g} を使うけど、一般に『飛行機のGが、0.5Gくらいだ』なんて言うときは、大文字で書いたりする」

麻友「太郎さん、突っ込んでよ。ボケた甲斐がない」

私「一緒になったら、麻友さんのボケも、勉強するからね。さて、{g=2a} としたんだから、{y=a x^2} は、書き換える必要がある」

麻友「 {\displaystyle a=\frac{g}{2}} なんだから、{\displaystyle y= \frac{g}{2} x^2} となる。なんか、ちょっと不格好」

私「いや、こうなっていた方が、いいんだ。この {g} の方が良いことが、すぐ後で、分かる」


麻友「ちょっと待って。{g} とか、重力加速度とか、言葉ばっかり先走って、{g} って、いくつなの?」

私「それはねえ、{g} というのは、非常にやっかいなものなんだ。思考実験では、ほとんど求められない」

麻友「ほとんど、ということは、方法はある?」

私「糸に重りを付けて、振り子としたとき、時計で測って、2秒で行って返る糸の長さは、大体 {99 \mathrm{cm}} なんだ。これは、麻友さんはインドア派だけど、ハイキングに行ったときなどに、長さを測らなければならないけど、物差しやメジャーがないなどという場面で、役立つ」

麻友「ところで、なんで、{99 \mathrm{cm}} なの?」

私「今回は、まだ証明できないけど、振り子の周期を {T \mathrm{s}} とし、糸の長さを {l \mathrm{m}} とするとき、

{\displaystyle T=2 \pi \sqrt{\frac{l}{g}}}

という関係が成り立つからなんだよ。これ、ビックリだろ。重りの重さによらずに、周期が決まってるんだ。実は、振れ幅にもよらない」

麻友「言われてみれば」

私「この振り子の周期は、糸の長さだけで、重さや振れ幅によらずに決まるというのは、あのガリレオが発見したらしい。教会かな? 寺院かな? で、神父様か牧師様のお説教を聞きながら、退屈だなあと、吊されているランプの揺れているのを見ていて、気付いたと言われている」

麻友「暇を持てあまして、発見できるなんて、幸せね」

私「さて、ここに、{g} が、顔を出している。今、仮に周期が {2} 秒だと、糸の長さは {99 \mathrm{cm}} だと実験でなったとして、 {g} を求めよう」

麻友「
{\displaystyle T=2 \pi \sqrt{\frac{l}{g}}}

で、{T=2 \mathrm{s},\ l=0.99\mathrm{m}}

として、

{\displaystyle 2 \mathrm{s}=2 \pi \sqrt{\frac{0.99 \mathrm{m}}{g}}}

だから、両辺2で割って、2乗して、

{\displaystyle 1\mathrm{s^2}=\pi^2 \frac{0.99\mathrm{m}}{g}}

となる。パイの2乗は、・・・」

私「麻友さん。覚えているだろうか? 私が、{\pi}{\sqrt{10}} に非常に近い数だと気付いて、喜んでいた日のことを。今こそ、実行に移すべきときだ」

麻友「あの、相対性理論のブログの『相対論への招待(その6)』の中ね。{\pi \approx \sqrt{10}} だから、{\pi^2 \approx 10} なのよね。これは、おあつらえむきね。

{\displaystyle 1\mathrm{s^2} \approx 10 \frac{0.99\mathrm{m}}{g}}

だから、

{g \times 1\mathrm{s^2} \approx 9.9 \mathrm{m}}

よって、

{g  \approx 9.9 \mathrm{m/s^2}}

と、{g} が、求まった。この単位、なんて読むの?」

私「ジーはだいたいきゅうてんきゅうメートルパーセカンドスクエアと読めば、一応伝わる」

麻友「大体だけど、精度は?」

私「まず、{\pi^2} は10より少し小さい。なぜなら {\pi=3.141592 \cdots}(産医師異国に)だが、{\sqrt{10}=3.162277 \cdots}(人丸は三色に並ぶ(2と7が並ぶ))だから。よって、{g=9.8 \mathrm{m/s^2}}くらいになる」

麻友「これ、もうちょっと精密に、実験で求まってないの?」

私「測量する人とか、地学を専門にする人は、理科年表に、値のテーブルがあるんだけど、要するに、地球上の場所場所で、9.7から9.8まで動くんだよ」

麻友「えっ、定数じゃないの?」

私「物理定数ではない」

麻友「はーっ、だから、9.8まで知ってれば、いいのか。でも、一応、私達は、模擬実験と計算で、{g=9.9 \mathrm{m/s^2}} と、定めた。実際使うときは、{g=9.8 \mathrm{m/s^2}} を使う。一応覚えておくべきは、{g} が、9.8だから、周期2秒の振り子の糸の長さが、98cmになるという安易なものではなく、{\pi^2} が、10に近いから、見かけ上98cmに近い99cmになっているのだ、ということね」

私「それを、飲み込んでいれば、間違わないだろう。ところで、なぜ、重力加速度が、必要なんだっけ?」


麻友「思い出した。投げたボールが、どれくらい落ちるかよ。{\displaystyle y=\frac{g}{2}x^2} と、{y'=gx} だった」

私「ちょっと、やってごらん」

麻友「1秒後は、

{\displaystyle y=\frac{9.8\mathrm{m/s^2}}{2}\mathrm{(1s)^2}=4.9 \mathrm{m}}

まで落ちるわ」

私「それ、信じられるか?」

麻友「えっ、4.9メートル? 最初の1秒に? 確かに、随分落ちるわね。2秒だと2の2乗を、4.9にかけるから、4.9✕4=19.6m。20メートルも落ちるの? この式、信じていいのかしら?」

私「ちょっと、落ちすぎだろ。なんでだと思う?」

麻友「えー? 落ちるのを止める物があるの? あっ、空気の摩擦。そうよ、真空じゃなくて、空気があるから、摩擦があるのよ」

私「じゃあ、麻友さんを特待生と見込んで、次の動画を見て欲しい。最初から見てもいいが、つまらなかったら、6:30くらいから、見ると良い。3分も見れば、私の言いたいことは、分かる」

麻友「何の動画?」

私「9.11のニュースの映像だよ」

麻友「ふーん。ポン」


911事件の謎

麻友「言いたいことは、分かったわ。ビルの崩落速度が、速すぎるのね」

私「そう。他の色んな理由は、でっちあげだと言えるかも知れないけど、同じ地球表面で、重力加速度がそんなに違うはずはない。

麻友「ちょっと、計算してみましょう。ワールドトレードセンターのビルは、Googleで、ポン、ポン、110階立てで、411メートル。仮に空気の摩擦がなければ、{\displaystyle y=\frac{g}{2}x^2} で、例えば、{x=10\mathrm{s}} を入れると、{g=9.8 \mathrm{m/s^2}} だから、4.9✕100=490メートルね。10秒より、ちょっと少なければ、崩落する」

私「9秒で、やってごらん」

麻友「4.9✕9✕9=4.9✕81= スマホで、ポン、ポン。うっ、396.9メートル。ビルの方が速い」

私「これを、どう思う?」

麻友「どう思うって?」

私「麻友さんは、ニューヨーク同時多発テロは、日本に流された、映画だったとは、思わない?」

麻友「そんなぁ。だって、ニューヨークで、人がたくさん死んだのは、確かだろうし、そうだとすると、この動画の方が、怪しいわ。本当のビルの崩落は、もっとゆっくりだったのよ。それを、この動画は、早回ししてるのよ」

私「それが、正常な人の感覚だよ。どんなに、物理学を使って、証明されても、多くの人が信じていることの方を、信じる。だけど、覚えておいて。感覚的に信じられることだけを信じていたら、科学は進まない。いや、それ以前に、科学が分からないよ、そういう人には」

麻友「太郎さんは、この動画を観て、どう思ったの?」

私「まず、崩落が速すぎるというのを見た瞬間、ニューヨーク同時多発テロって、イラクとかに戦争を仕掛けるためのアメリカの工作だったんだな、と思った」

麻友「それで?」

私「自分で証明したこと、自分で実験したこと、自分で見たり聞いたりして確かめたこと以外は、信じちゃいけないんだ。と思った」

麻友「太郎さんの生き方って、そうね」

私「でも、私は、今回初めて、麻友さんの前で、このことを、説明してみた。それで、分かったことがある」

麻友「どんなこと?」

私「実は、この動画は、以前から、相対性理論のブログの『私が数学を信奉する理由』という記事に、貼ってあった。ところが、今日、使おうとすると、削除されていた。私は、改めて、『9.11 ビル 爆破 動画』とググって、さらに動画にして、『911事件の謎』というユーチューブを、見つけなければ、ならなかった。これだけでも、私に、何か信号を送ってるかな、などとも感じた」

麻友「そう感じたの」

私「それだけじゃ、ないんだ。今回私は、麻友さんが投げたボールの落ちる距離も、一緒に計算した。これによって、空気の摩擦が、想像以上に大きいということに、初めて気付いた」

麻友「えっ、初めてなの? 物理の得意な太郎さんが?」

私「動画を早回ししてるんじゃないか? という疑いは、前から感じていた。だが、今回、どんなに爆破があっても、こんな真空の中を落ちるような崩落は、有り得ない。と、初めて確信したんだ。その瞬間、テレヴィのニュースだって、信じていいかどうか、怪しいんだなと感じて、世界観も変わった」

麻友「もう、私とは、お別れ?」

私「うん」

麻友「今日は、2019年11月14日ね。2015年4月4日から、ほぼ4年半。アイドルとしての私から、巣立っていくヒナ。って、もう47歳だけど。私、胸がざわざわするわ」

私「麻友さん。ありがとう」

麻友「どういたしまして」

 コツコツコッコッ。

麻友「うっ、でも、理性は感情に勝るわ」

・・・

麻友「太郎さん。薬飲まなきゃ駄目よ」

私「じゃあ、明日も、ブログ読んでね。この記事が、最後じゃないから」

麻友「うん。薬飲んだら、明日も読んであげる」

私「分かった。ゴックン、ゴックン、ゴックン。飲んだからね。おやすみ」

麻友「おやすみ」

 現在2019年11月14日21時40分である。おしまい。